黒革の手袋
もしクールでキツイ女が黒革の手袋を嵌めていたら・・・。
黒革の手袋を嵌めた女に突然、口と鼻を塞がれ、壁際に押しやられる。
女の武器は黒革の手袋と履いていたストッキング。
羽交い絞めにされ、女が履いていたストッキングで目隠される。耳元で黒革の手袋をギュっと握り締める音がする。
「聞きなさい。コレが革の擦れる音よ。」
ギチギチ、ギュッギュ
ギチギチ、ギュッギュ
っと革独特の擦れる音に脳内が痺れる。
女は再び、口と鼻を塞ぎ、低くも澄み切った声で
「嗅ぎなさい!!」
と言った。
革には独特の匂いがある。
息が出来なくて暴れるたびに匂い立つ革の香りとストッキングの匂いが鼻腔をくすぐる。
「このままお前を拉致しちゃおうかしら?」
どんどん体から力が抜ける。
目隠しされていたストッキングが外された。
奪われた視力が戻ると、嬉しそうにこちらを見ている女の姿が分かった。
女は微動だにせず、ただこちらの様子を伺っていた。
視線が合う。目が釘付けになる。
時が止まった。
体中の血が逆流する。
ただ、ただ女と目が合っただけなのに、こうまで心奪われるとは。こうまで魂を鷲掴みにされるとは。
しかし、女はふいっっと視線をズラし、塞いでいた手を外し、こう言った。
「ツマラナイ。もっと面白い人間かと思ったのに・・・。」
女は立ち上がり、どこかに去ろうとした。
もっと、こっちを見て下さい。他を見ないで下さい。自分以外を見ないで下さい。自分の目を見て下さい。
そう、叫んだが女はそんな叫びも聞こえないのか、去った。
女の手には妖しく鈍い光沢を放つ黒革の手袋が嵌められていた。
右京
黒革の手袋を嵌めた女に突然、口と鼻を塞がれ、壁際に押しやられる。
女の武器は黒革の手袋と履いていたストッキング。
羽交い絞めにされ、女が履いていたストッキングで目隠される。耳元で黒革の手袋をギュっと握り締める音がする。
「聞きなさい。コレが革の擦れる音よ。」
ギチギチ、ギュッギュ
ギチギチ、ギュッギュ
っと革独特の擦れる音に脳内が痺れる。
女は再び、口と鼻を塞ぎ、低くも澄み切った声で
「嗅ぎなさい!!」
と言った。
革には独特の匂いがある。
息が出来なくて暴れるたびに匂い立つ革の香りとストッキングの匂いが鼻腔をくすぐる。
「このままお前を拉致しちゃおうかしら?」
どんどん体から力が抜ける。
目隠しされていたストッキングが外された。
奪われた視力が戻ると、嬉しそうにこちらを見ている女の姿が分かった。
女は微動だにせず、ただこちらの様子を伺っていた。
視線が合う。目が釘付けになる。
時が止まった。
体中の血が逆流する。
ただ、ただ女と目が合っただけなのに、こうまで心奪われるとは。こうまで魂を鷲掴みにされるとは。
しかし、女はふいっっと視線をズラし、塞いでいた手を外し、こう言った。
「ツマラナイ。もっと面白い人間かと思ったのに・・・。」
女は立ち上がり、どこかに去ろうとした。
もっと、こっちを見て下さい。他を見ないで下さい。自分以外を見ないで下さい。自分の目を見て下さい。
そう、叫んだが女はそんな叫びも聞こえないのか、去った。
女の手には妖しく鈍い光沢を放つ黒革の手袋が嵌められていた。
右京
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