コメント欄より引用「黒革の手袋の女殺し屋」
先日、ブログのコメント欄にとっても面白く、M心もS心も擽る良い、物語(妄想)を書いてくださった方がいたので了承を得てから掲載します。
私と世界観がよく似ているので読んでいて楽しかったです。
以下より
↓
【第1話】
わたくしは外国語教材を会員制で販売する会社に勤めていました。
しかしその会社は組織ぐるみで巧妙なダマシ営業を展開し、インチキ教材を販売する詐欺会社でした。
顧客は外国語、とくに英語にコンプレックスを持つ、どちらかと言うと勉強が苦手な人たちでしたので、ちょっとした引っ掛けの宣伝文句で 面白いように高額の教材を買ってくれました。
乳幼児への早期英才教育を信じるお母さんたちが、子供のために買ってくれる場合も多かったです。
いろいろ嘘を言ってだましました。
はじめはわたしも詐欺会社とは知らずに勤め出したのです。
それほど巧妙な嘘で客を釣っていました。
働いている社員たちも、多くは、そのインチキを見抜いていませんでした。
しかしそれに気づいたわたしは、かすかに残る良心から、この業者を消費者庁に告発することにしました。
しかし、わたしが証拠を保全するために資料や顧客名簿を複写しているのを ある幹部に気づかれてしまい、結局退社に追い込まれてしまいました。
わたしはそれまでに集めた証拠をまとめ、消費社庁の係官にアポイントを取りました。
会社の人間が見張っていることを察知し、秘密裏に某シティホテルで面会するよう 手はずを整えました。
約束の日時にホテルの部屋で待っていると、定刻通りにドアがノックされました。
わたしが約束していたのはAさんという男性でしたが、現れたのは右京という若くて 美しい女性でした。
「Aさんが緊急の会議でどうしても来られなくなりましたので、すみませんがわたくしが代わりにお話を伺います。」
右京さんは、若くて上品な女性で、こんなにキレイなお役人もいるのかと驚きました。
彼女は地味な色のスーツでまじめな感じでしたが、黒の革手袋をはめており、甘い、良い香りの香水が、やや強めに彼女を包んでいました。
なぜ香水を強めに使っていたのかは、あとで知らされるのですが・・・
わたしたち二人は部屋のテーブルをはさんで向かい合って座りました。
そして証拠を示しながらわたしは会社の詐欺の実態を説明し始めました。
右京さんはわたしの話を真剣に聞いてくれ、驚いたり、ときには深く頷いてくれました。
しばらく話したあとで、彼女は「お茶でもいれましょう」と言って、部屋の応接セットの方へ向かいました。わたしはテーブルの上の資料を見直していました。
ところが突然、目の前に黒の革手袋と女性のパンプスが目に入ると、それで鼻と口を覆われたのです。
強烈な甘酸っぱい香り・・!! それはクロロホルムでした。
わたしはその手を振り払おうと抵抗しましたが、押さえつける手の力は強く、暴れる私の力をたくみにいなしました。
クロロホルムを吸わないように息を止めましたが、苦しくなり、ついに深く吸い込んでしまいました。
気がついたときには椅子に縛り付けられていました。
黒革手袋をはめた右京さんが冷たい笑みを浮かべています。
「気がついたようね。クロロホルムの匂いはどうだったかしら?
甘酸っぱい? パンプスに仕込んでおいたのだけど、匂いがもれないか心配だったの。なんとか香水でごまかせたみたいね、フフッ・・」
わたしは事態が理解できず、声も出せませんでした。
「あなたは正義感の強い立派な方のようだけど、告発なんかされると困る人たちがいるのよ・・・。
だからわたしが来たの。
Aさんには可哀相だけど死んでもらったわ、無関係でお気の毒だったけど。
あなたにはここで死んでもらうわ。
たっぷりと苦しめるよう、会社からリクエストされているのよ。」
右京さんの黒革手袋の手が、わたしの鼻と口をぴったりと塞ぎ始めた・・・ 。
右京
私と世界観がよく似ているので読んでいて楽しかったです。
以下より
↓
【第1話】
わたくしは外国語教材を会員制で販売する会社に勤めていました。
しかしその会社は組織ぐるみで巧妙なダマシ営業を展開し、インチキ教材を販売する詐欺会社でした。
顧客は外国語、とくに英語にコンプレックスを持つ、どちらかと言うと勉強が苦手な人たちでしたので、ちょっとした引っ掛けの宣伝文句で 面白いように高額の教材を買ってくれました。
乳幼児への早期英才教育を信じるお母さんたちが、子供のために買ってくれる場合も多かったです。
いろいろ嘘を言ってだましました。
はじめはわたしも詐欺会社とは知らずに勤め出したのです。
それほど巧妙な嘘で客を釣っていました。
働いている社員たちも、多くは、そのインチキを見抜いていませんでした。
しかしそれに気づいたわたしは、かすかに残る良心から、この業者を消費者庁に告発することにしました。
しかし、わたしが証拠を保全するために資料や顧客名簿を複写しているのを ある幹部に気づかれてしまい、結局退社に追い込まれてしまいました。
わたしはそれまでに集めた証拠をまとめ、消費社庁の係官にアポイントを取りました。
会社の人間が見張っていることを察知し、秘密裏に某シティホテルで面会するよう 手はずを整えました。
約束の日時にホテルの部屋で待っていると、定刻通りにドアがノックされました。
わたしが約束していたのはAさんという男性でしたが、現れたのは右京という若くて 美しい女性でした。
「Aさんが緊急の会議でどうしても来られなくなりましたので、すみませんがわたくしが代わりにお話を伺います。」
右京さんは、若くて上品な女性で、こんなにキレイなお役人もいるのかと驚きました。
彼女は地味な色のスーツでまじめな感じでしたが、黒の革手袋をはめており、甘い、良い香りの香水が、やや強めに彼女を包んでいました。
なぜ香水を強めに使っていたのかは、あとで知らされるのですが・・・
わたしたち二人は部屋のテーブルをはさんで向かい合って座りました。
そして証拠を示しながらわたしは会社の詐欺の実態を説明し始めました。
右京さんはわたしの話を真剣に聞いてくれ、驚いたり、ときには深く頷いてくれました。
しばらく話したあとで、彼女は「お茶でもいれましょう」と言って、部屋の応接セットの方へ向かいました。わたしはテーブルの上の資料を見直していました。
ところが突然、目の前に黒の革手袋と女性のパンプスが目に入ると、それで鼻と口を覆われたのです。
強烈な甘酸っぱい香り・・!! それはクロロホルムでした。
わたしはその手を振り払おうと抵抗しましたが、押さえつける手の力は強く、暴れる私の力をたくみにいなしました。
クロロホルムを吸わないように息を止めましたが、苦しくなり、ついに深く吸い込んでしまいました。
気がついたときには椅子に縛り付けられていました。
黒革手袋をはめた右京さんが冷たい笑みを浮かべています。
「気がついたようね。クロロホルムの匂いはどうだったかしら?
甘酸っぱい? パンプスに仕込んでおいたのだけど、匂いがもれないか心配だったの。なんとか香水でごまかせたみたいね、フフッ・・」
わたしは事態が理解できず、声も出せませんでした。
「あなたは正義感の強い立派な方のようだけど、告発なんかされると困る人たちがいるのよ・・・。
だからわたしが来たの。
Aさんには可哀相だけど死んでもらったわ、無関係でお気の毒だったけど。
あなたにはここで死んでもらうわ。
たっぷりと苦しめるよう、会社からリクエストされているのよ。」
右京さんの黒革手袋の手が、わたしの鼻と口をぴったりと塞ぎ始めた・・・ 。
右京
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